令和5年税制改正大綱
令和4年12月、令和5年税制改正大綱が政府与党より発表されました。
「10年前、自由民主党・公明党は政権与党の座を取り戻した。」という書き出しにより始まる、従来より政治色を感じる大綱でした。
基本的な考え方として、「成長と分配の好循環の実現」を掲げており、「貯蓄から投資へ」の流れを加速化すべく、NISA制度の抜本的拡充・恒久化を実行し、弱くなった日本経済の再生を図る事としています。
また、「経済のグローバル化・デジタル化・グリーン化への対応」についても手当てをし、関係する投資に関しては優遇措置を講ずることとしています。
「中小企業税制」については、税軽減措置等が概ね2年間延長される事となり、ネガティブな改正はコロナ収束後に先延ばしとなった感じです。
賃上げを行う計画を盛り込んだ設備投資については償却資産税を減免する新しい制度が2年間の時限的な措置として新設されます。
詳しい内容は、税改正が確定し諸手続きが発表され次第セミナー等の方法で皆様にお知らせ致します。
今回の税制改正大綱の中で一番報道等に取り上げられた項目が、相続開始前に行われた贈与の相続財産に対する加算の年数の改正です。
現在は相続開始前3年以内ですが、令和6年1月より、相続財産に加算する期間を7年に延長する事となりました。
私の予想は10年としていたのですが…。
本年が旧制度の最終年となります。
お孫さんやお子さんへの贈与を検討している場合は、基礎控除の110万円に限らず、場合によっては当該金額を超過した贈与も検討しても良いかもしれません。
その他、個人所得税等の税制に関しては、控除の見直し等、課税強化のスタンスです。
また、高額所得者に対する課税も強化する事が記載されており、具体案は来年以降となりますが、増税基調である事は間違いありません。
新型コロナウイルス感染拡大により、対応に多くの税金が投入されました。
また、高齢化による社会保障費の増大を補うためには税収を上げるしかありません。
コロナが収束したら「大増税時代」が幕あけしそうです。
この様な環境下で私共の役割はより重要になると思っております。
いち早く情報をキャッチし、皆様に有用なソリューションを提供出来るよう努力して参ります。