経営虎の巻 第114回「業務のマニュアル化を成功させるための手段」
「新人の早期戦力化を図りたい」「教育担当者の負担を軽減したい」「業務の属人化を解消したい」などのお悩みはございませんか?
こういった経営課題を解決する一つの手段が「業務のマニュアル化」です。分かりやすいマニュアルがあれば、次の効果が生まれます。
①一定の品質を保ち、早く業務を覚えることができる
②教育の時間や心理的負担を減らすことができる
③業務の属人化を防ぐことができる
これらの効果性を意識して取り組むことにより、業務効率・生産性が高まります。
一方、実際にマニュアルを作成・運用し、その効果を発揮できている企業はあまり多くありません。なぜでしょうか。そこには、まず作成の段階で、「どの業務から作ればよいか?」「どんな手順でまとめればよいか?」「作成ツールや形式はどうするか?」という疑問が生じてしまうからです。
ここではスムーズにマニュアル化を進めるポイントをお伝えします。
①「業務の見える化」を行う
- まずは、業務を目的ごとの区分に分け、細分化し、すべて洗い出します。
②マニュアル化するものを選定する
- 細分化された業務は、「誰がやっても同じもの(Same)」「選択基準に沿って進めることができるもの(Select)」「経験が必要な熟練の技」に分けます。
次に、この中でマニュアルに向いている“SameとSelect”を作成対象として選定します。
③業務の標準とツールを決める
- マニュアル作成の対象となる各業務に、最も効果的な手順・ルール・基準を定めます。さらに、ExcelやWord、専用のITツールを選定し、作成形式を決めます。
ここまで準備ができれば、後は作成です。
ただし、作成しただけでは経営課題の解決につながりません。実際に、マニュアルが見てほしい対象者に閲覧されているのか、必要なタイミングで改定されているのかなど、運用全体を管理する必要があります。
併せて、マニュアル作成に取り組む過程で、ムダ・ムラを省き、効果的に業務改善を図ることができれば、質の高いものとなり、社員一人ひとりの能力が向上し、そのノウハウは企業の知的財産になり得るのです。
目的を持って、お取り組み下さい。