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経営虎の巻 第113回「組織活性化のための人材育成術」

誰にでも、得意・不得意があります。
不思議なもので、得意なことは少し努力しただけで伸び、不得意なことは、一生懸命努力しても、なかなか改善されないものです。
また、自分自身が成長していると感じると、それが自信に繋がり、本来不得意であったことまでも、「やればできる」という気持ちになり、前向きに仕事をするようになるものです。
もし、ビジネスの世界が学校教育のように、「100点が満点」であるならば、90点の科目を伸ばすよりも、50点の科目に力を入れたほうが、全体の点数は高くなるかも知れません。
しかし、ビジネスの世界には「満点」などありません。
つまり、得意な部分は150点にでも200点にでも伸ばすことができるのです。
その意味では、まずは、その人の得意な部分=長所を見出し、その長所を伸ばす環境を与えてあげること、認めてあげることこそが重要なのです。

人は、意味のない(感じられない)ものに対しては、モチベーションがあがりにくいものです。
仕事も同じで、ただ単に「仕事」を与えるただけでは、やる気はおきませんし、工夫が生まれません。
その仕事は「何のためにやるのか」「何を目的としたものなのか」を示すだけで、やる気は引き出されるのです。

経営学者のPFドラッカーの有名な話をご紹介いたします。
『昔ある国で敵から国を守るために城壁を作っている三人の若者がいました。
レンガを積んでいる三人の労働者のそばを、ある人が通りかかりました。
その人は、それぞれ三人に「あなたは何をしているんですか」と声を掛けました。
三人の答は三者三様でした。
見るからにやる気の無さそうな人は「私は親方の命令でレンガを積んでいるのです。」
ちょっと明るい表情の人は「私はレンガを積んでを城壁を造っているのです。」
活き活きとして仕事をしていた人は、「私は国を守る為に城壁を造っているのです。」と答えました』

このように、全く同じ「仕事」をしているのに、その仕事の意味や目的の考え方によって、仕事に対する姿勢は異なるのです。
「何をするのか」ではなく、「何のために行うのか」を明示することが重要なのです。