経営虎の巻 第104回「報連相を増やすには?」
「部下から必要な報告があがってこない。」
「事前に連絡してくれていれば、もっと別の方法をとれたのに。」
「相談無く勝手に進められたために余計に手間が増えた。」
多くの方が、このような思いをされたことがあるでしょう。
報連相(報告・連絡・相談)の重要性は認識しており、繰り返し指導しているものの、一向に改善されないというお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
どうして組織の報連相が増えないのでしょうか?
原因は多々ありますが、最も大きな原因は「なぜ報連相が必要か」を伝えきれていないことがあります。
例えば、報告をする部下の立場からすると、自分の報告がどう活かされるのか、なぜ必要なのかがわかりません。
目的もわからないまま、手間のかかる報告を求められても続けることは難しいでしょう。
同様に、報連相が組織にとってなぜ重要であるかを説明せぬまま、報連相を求めても変化はみられません。
では具体的に報連相を行う目的とはどのようなものがあるのでしょうか?
大きく分けるとすれば以下の5つに分類されます。
- 顧客情報を吸い上げ、顧客視点の意思決定を行う。
- 内部情報を共有することでミスロスを減らす。
- 情報を要約して伝え、相手の意見を吸収することで個人が成長する。
- 個人の学びや成功体験を共有することで組織を成長させる。
- 共通の価値観や組織目標を浸透させることで組織力を高める。
上記の視点で振り返ると、どのような目的意識を持って報連相を求めていたでしょうか。
また、自分自身は報連相ができていたでしょうか。
企業組織の目的目標を達成するための一つの機能として報連相があり、報連相にも目的目標が必要です。
自社なりの報連相目標に沿って、報連相の意義や必要性をきちんと伝えていけば、報連相も仕事の一部として、価値ややりがいが認識されることでしょう。
社会の変化に柔軟に対応できる強い組織を目指して、報連相の強化に取り組んでみてください。