経営虎の巻 第88回「伝えるスキルを身に付けるためには」
多くの会社で実施されているものの中に「朝礼」があります。
たくさんの人の前で話すのは緊張するし、何を話したらいいのか分からない。
社長や部長などマネジメント層の話を聞くだけならまだしも、自分が人前でスピーチをするのは苦手と感じる人は多いようです。
ただビジネス書などで言われているように、朝礼は会社を前向きに変える効果があるといわれています。
実際、朝礼を通して意思疎通を図り、仕事を円滑に進める会社や人も多く存在しています。
「スピーチのネタもないし、考えるのも話すのも嫌だな」
「仕事に関係ないのになぜ朝礼でわざわざスピーチをするのだろう」
と思っている人も多いでしょう。
それにはわけがあります。
日本の社会人の多くが、「人前で話す訓練を学校などで行ってこなかった」というのがその理由です。
こうした環境の中で人生を過ごしてきた若手社会人が、「スピーチが苦手」となるのは、むしろ当然といえるでしょう。
ではなぜ、社会人になると、多くの会社で、仕事と関係ないと思われがちな朝礼でのスピーチが行われるのでしょうか。
それは、ビジネスシーンで役立つスキルを養うことができるからです。
会社で朝礼でのスピーチが実施される、理由と目的は、
①要点をまとめて説明する「伝える力を養う」「人前で話す」トレーニング
②会社・部署の士気を上げる
③さまざまな情報を収集するスキルが身に付けられる
などが考えられます。
仕事をする上で「伝える」ということはとても大切なスキルです。
朝礼などで短いスピーチを行うことは、限られた時間内に要点をまとめ、分かりやすく伝える力を養うとともに、人前で話すトレーニングにもなります。
さらに仕事に役立つような情報やプラスになる考え方、気づきを提供することによって会社や部署全体の士気を上げることができます。
スピーチが苦手と思われている方は、まず新聞やニュースの内容等の中で自分の興味のあるところから関心を広げてみる、また上手な先輩の話し方をマネしてみるなどから取り入れてみるのはいかがでしょうか。
そうして得られた「伝えるスキル」は、コミュニケーションを円滑にし、仕事にも、人生にもきっと良い影響を与えてくれるでしょう。