経営虎の巻 第123回「若者の管理職離れ」
近年、様々な意識調査により管理職になりたくない若手社員が増えていることが明らかになっています。
ここ数年でその傾向は一層強くなっています。
管理職になりたくない理由としては「責任や仕事が増える」「労働時間が長くなる」「割に合わない」などが挙げられます。
背景には、若者の働くことへの価値観が多様化していることが要因の一つとして考えられます。
また、現在の管理職が若手社員に魅力的に映っていないことも大きな要因だといえます。
すべての若手社員が管理職を目指す状況を作ることは現実的ではありません。
しかし、会社の中核となって活躍を期待する人材が管理職を敬遠する状況が続けば、近い将来で多くの企業で管理職が不足します。
マネジメント力の低下による組織力の低下に直面するリスクがあります。
若手社員の意識改革も必要ですが、このような状況を打破するためには管理職に対する魅力を高める取り組みも必要だといえます。
▽キャリアパスの明確化(複数のコースの提示と役割の整備)
▽人事制度の見直し(年功ではなく能力に応じた管理職登用と責任に見合った賃金制度)
▽管理者研修等による管理者の役割認識の醸成。
これらを実践し、管理者の役割と処遇の整備、現管理者の意識改革を図る必要があります。
現在の管理職による取り組みも重要です。
部下には愚痴をこぼさず、感謝を伝える。
部下の業務範囲を徐々に広げ、組織軸の達成感や責任を持たせましょう。