経営虎の巻第119回「成長意欲を高める評価制度」
企業が業績を伸ばしていくうえで、社員1人1人のスキルはとても重要な要素になります。
成長意欲が高い社員ほど貪欲に業務を学び、会社の成長に寄与してくれます。
一方で社員の成長意欲が低いと離職・転職の可能性が高まったり、社内のエンゲージメントが低下したりするなどのリスクをもたらします。
では社員の成長意欲を高めるためにはどのようなことに取り組むとよいでしょうか。
アメリカの臨床心理学者ハーズバーグの動機付け・衛生理論によれば、目標の達成・周囲からの承認・責任の譲渡などは、社員の積極的満足感を高める動機付け要因であるとされています。
そのなかでも、自らの成長によって目標を達成すること、その成長や成果を評価され認められることは、社員を強く動機付けする要因と考えられています。
これらの動機付けを継続的に行うために人事制度を有効に活用するとよいでしょう。
人事制度では社員に期待される能力や行動・成果などを等級や役職ごとに整備します。
そのうえで期待要件を満たしているかどうかを定期的に評価し、本人へ伝えて更なる成長へ繋げる評価制度を設ける流れが比較的一般的です。
これらは整備するだけでは期待するような効果は得られません。
適切な運用ができる体制をつくることが重要です。
運用にあたって特に留意すべき点は、継続性と一貫性です。
当初は定期面談を行っていたものの、途中から面談がされなくなったり、評価者が変わって評価の一貫性が損なわれたりするといったことがないよう、評価者の育成にも力を注ぎたいものです。