経営虎の巻 第85回「業務改善による生産性向上」
業務の生産性向上を図るためには、「視える化による標準化」、「社内環境の整備」、「社員のスキル向上」、「タイムマネジメント」等、様々なアプローチ方法があります。
しかし、これらの手法を用いても成果があがらない場合には、業務改善というアプローチが有用です。
業務改善を行うには改善の4原則である「イクルス(ECRS)」に基づき、業務を見直すと効果的です
E = Eliminate(排除) C = Combine(結合) R = Rearrange(入れ替え) S = Simplify(簡素化)
◆排除(E)
そもそも業務そのものを無くせないかという視点です。
前任者が行っていたからという理由で業務を継続しているケースがありますが、実は目的に照らし合わせると既に必要でない可能性があります。
このような場合、止めてしまうのが一番効率的な改善方法です。
◆結合(C)
一緒に纏められないかという視点です。
例えば月曜日と水曜日に同じ地区に営業に行くのなら、いっそう纏めて同日に行けないか、また目的は異なるが、同一内容の記載が多い二種類のシートの場合、必要項目を纏めて一緒にできないかと検討する改善方法です。
◆入れ替え(R)
変更や入れ替えができないかという視点です。
例えば、この業務は部長が行っているが、課長に権限を委譲し、本来の部長の業務に注力できないかといった改善方法です。
◆簡素化(S)
簡単にできないかという視点です。
例えば業務分担を行い、一つ一つの方法を簡素化するといった改善方法です。
この中で最も効果が高く優先的に考えるべき点が「排除(E)」です。
この排除が無理な場合には、次のC→R→Sと視点を移していくこととなります。
改善はなかなか進まないのが実情です。
しかし、このECRSの視点を理解することで、改善活動がスムーズに進む可能性があります。
参考にしてみてはいかがでしょうか。