税務調査の季節
9月となり税務調査の季節がやって来ました。
税務署の事務年度は7月から6月となっており、7月頭に移動があり、引継やらお盆やらで、本格的な調査は9月に入ってから始まります。
コロナ禍においては臨場する調査は控えられ、件数が激減していたのですが、コロナが落ち着いた昨今、通常ペースの調査件数に戻ったようです。
しかし、コロナの影響を大きく受け、経営的にも苦しい環境にある事業者に対する調査は避けられているため、コロナの影響が少なかった業態が対象になっている感があります。
税務調査は気持ちの良い物ではありません。
時間は取られますし、調査した内容によって追加の税金も必要となります。
無いに越したことはありませんね。
今回は、税務調査の正しい知識を持っていただくため、税務調査について2月に渡ってお知らせ致します。
【調査先の選定】
最近はAI選定と言って、人の判断だけではなく、AIによる調査先の選定が行われています。
売上高が急激に伸びていたり、経費が急増していたりする場合は選定されやすくなります。
赤字だからと言って調査に来ない訳でもなく、昨今、長期未接触先(長年税務調査を行っていない納税者)に対する調査も増加傾向にあると感じています。
個人所得税に関して言うと、世帯の人数に対して所得が低い場合は狙われやすいと印象があります。
所得税は個人の生活という観点に立った選定が行われています。
また、ある程度の規模の法人は定期的に税務調査が行われます。
3から5年に一回のペースです。
これは、規模が大きくなると取引業者も増える事から、取引相手の資料収集(支払先の領収書や請求書の資料)の目的も兼ねています。
【税務調査の種類】
税務調査の種類というと強制調査か任意調査の2種類となります。
強制調査は、いわゆる査察(マルサ)と言われる国税局の査察部が行う裁判所の捜査令状を権限とする調査です。
国税局の税務調査とマルサを混同する人がおられますが、全く別物です。
査察が入るのは巨額・悪質な脱税の疑いがある場合で、相当の内偵を行った後に令状を取得して行われる調査ですので、通常は出会う事はありません。
所得金額で概ね5千万円以上(昔は1億円以上)の悪質な不正が対象です。
悪質な不正とは主に売上除外・架空経費です。
脱税の刑事告発を目的としていますので、一般の税務調査とは別物と考えて頂いて良いかと思います。
残すは任意調査ですが、任意調査を我々税理士は、調査を担当する部署で分類しています。
来月は、もう少し税務調査の種類を深掘りしてお伝えしようと思います。
任意調査においても無予告で調査が行われる場合があります。
朝8時半頃、事業所、自宅に一斉に調査官が訪れる現況調査と言われる税務調査です。
コロナも明けて、無予告調査も増えて来ております。
もし、無予告で税務署が訪れてきたら、対応する前に、まず、弊社担当者までご連絡下さい。
税務署ではなく新手の詐欺かもしれませんので。